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青霄の夏

2021/07/23


四季の移ろいの中に美の心を生み出した伝統色。日本では古来より多彩な色を生活に取り入れ、その豊かな情緒を愛でてきた。それらは多くの絵画、染織物、陶芸、文学として、今もなお、生活や文化の中で引き継がれている。日本人の美の心が生み出した「和色」はまさに綺羅びやかかつ風雅で、その呼び名だけでも肺腑を衝くことは間違いない。

海の言葉が聴こえてくる、そんな青。

瀬戸内海の東部に浮かぶ淡路島。海にそびえる神秘的な奇岩や、夕陽に照らされる棚田など、山も海も空も、どこを切りとっても絵になり、“兵庫のハワイ”と揶揄されるほどだ。
そんな風光明媚な島を、色で例えるとすると「青」に違いない。青は“サムライブルー”とも称されるように、日本のナショナルカラーとして世界各国に知れ渡っている。日本の国旗は「紅白」の日の丸なのに、青はどこからインスピレーションを受けたのか……と疑問を持つ人もいるかもしれないが、その起源は判明しておらず、この絶景のように「日本の国土を象徴する海と空の青」という説が有力とされている。
そんな、日本のナショナルカラーでもある“青の絶景”が、島のあちこちに点在している淡路島。特に大浜海水浴場は透明度が高く、全国屈指の美しい海水浴場として知られている。裸足の心地よさに浸るもよし、海の言葉に耳を傾けるもよし……。なぜだろう、ふわりとした時間を過ごしたくなる。
それもそのはず。青には脳内にアルファ波を増幅させる働きがあり、見ているだけでも高いリラックス効果を期待することができる。空、海、水の澄んだ色……という青が奏でるハーモニーは、日頃のストレスからの解放をアシストしてくれるに違いない。